第4回 鎧兜甲冑工房 丸武産業株式会社様

『守るべきものがある』、武士の魂を現代に。『守るべきものがある』、武士の魂を現代に。

甲冑とは、戦いの際に兵士が身につける戦闘用具。胴体を保護する鎧(甲)、頭部を守る兜(冑)の総称である。起源は明らかにされていないが、古墳時代から普及していたとも言われており、その歴史はとても古い。武士が身を守るために着用するものであったため、鎌倉、平安、戦国時代…と、戦法の変化とともに甲冑にも変化が見られる。政情が安定していた江戸時代には、華美な装飾を施した甲冑も製作されていた。今回は、日本を創った武士達の熱き魂を現代に伝えていきたいという思いから、伝統技術を継承している甲冑工房へ向かった。

鎧兜甲冑工房 丸武産業株式会社 | 2015.12.18

鹿児島県薩摩川内市で、甲冑づくりに取組む丸武産業を訪ねて。

鹿児島県の北西部に位置する薩摩川内市。丸武産業は、同市に1958年に創業。現代表の田ノ上賢一氏は同社の2代目となる。賢一氏の父親であり、現会長である田ノ上忍氏が設立した当初は、鹿児島の名産だった竹を用いた釣り竿を製作販売していた。しかし小さい頃から骨董品に興味があった忍氏は、趣味であった骨董屋巡りをしているうちに、気になる品を見よう見まねでつくるようになった。自身の目でみたものを忘れないうちに絵で描き、その絵をもとに独学で製作していたという。甲冑もその中の一つ。壊れた鎧を手に入れ、自ら手直しして飾っているうちに購入したいという人が表れ、次第に周りからの注目を浴びるようになっていった。