椅子に車輪が付けられ、座ったまま移動できる車椅子。身体の機能障害などによって歩行に困難のある人の「移動」を補助するツールである。一般的によく目にする車椅子は、使用者が手動で操作する自走式タイプか、手押し型車椅子。自走式は、後輪に大きなタイヤが2つ、前輪に小さめのタイヤが2つ付いており、タイヤの外側に付いているハンドリムという輪を手でこぐことで走行することが出来る。手押し型は、使用者ではなく介護者が後ろから押して操作するもの。その他に代表的な車椅子が、2021年の東京パラリンピックで我々の視線を釘付けにした競技用車椅子。競技種目ごとにフォルムやタイヤの大きさが異なることに初めて気づいた人も多いだろう。今回は、一般向けの車椅子と競技用の車椅子、両方を手がけるオーエックスエンジニアリングを訪ねた。
千葉県 オーエックスエンジニアリング様 | 2022.1.17
千葉県千葉市で車椅子の開発・製造・販売を行う、オーエックスエンジニアリングを訪ねて。
今回訪れたのは千葉県千葉市にある、車椅子の開発、製造、販売を行っている「オーエックスエンジニアリング 」。日常生活用の車椅子とアスリートが使用する競技用の両方を手がけているメーカーだ。同社はもともと、オートバイのエンジン開発などがメイン事業。創業者である故石井重行氏が、オートバイレースのライダー兼ジャーナリストとして活躍しながら経営していた。しかし不運なことに、オートバイの試乗中に不慮の事故に遭い脊髄を損傷。歩行が出来なくなってしまった。その後、車椅子を使用し現場に復帰を果たすが、同氏にはどうしても我慢できないことがあった。それは、自分が乗りたい車椅子が無いという事実だった。同氏は、“無いものはつくる”という信条の人物。オートバイの技術を活用し車椅子をつくったのが、現在のきっかけとなった。