手術室だけではなく、診療室、検査室など、病院内の多くの場所で使用されている医療機器。この医療機器の発展により、新たな診断や治療が出来るようになった。例えば、聴診器の発明で胸中を診察できるようになり、麻酔器が誕生し外科手術が進歩、内視鏡により開腹せずに治療が出来るようになった。このように医療と工業は、昔からとても密接な関係を築いてきた。どんなに腕の良い医師だとしても、検査や治療、手術には医療機器という道具が必要になるからだ。
今回は、千葉県市川市で医師と共に医療機器を開発・製造・販売している河野製作所を訪ねた。
千葉県 河野製作所様 | 2023.12.14
千葉県市川市で医療機器の開発・製造・販売を行う、河野製作所を訪ねて。
今回訪れたのは、千葉県市川市で医療機器の開発・製造・販売を行っている医療機器メーカー 河野製作所。日本で初めて発売されたマイクロサージャリー用針付縫合糸や世界最小の手術用針など、医療分野において画期的な製品を開発している企業だ。同社の創業者は、もともと時計メーカーの技術者だった。その後、同業種で独立するのだが、直接医師から微細な針や糸の製作依頼があったという。当時はまだ超微細加工ができる医療機器メーカーはなく、世界に誇る日本の時計技術ならば、どんな条件の針でも製作が可能だろうと期待され、白羽の矢が立ったそうだ。「それ以来、多彩な医療の開発依頼がきました。さまざまな開発に携わっていくと医療業界にはとてもニーズが多いことに気づいたんです。このニーズを叶えるために河野製作所はメイン事業を医療分野に転換し、医工連携に注力してきました」と、同社代表の河野淳一氏は教えてくれた。